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そのとんがり具合に気圧されつつも、その人生に魅力を感じざるをえない書

とんがって本気

さっそく読んでみると、パリ時代の豪奢な経験や、川端康成との官能的な思い出、
やはり洗練された人として有名な安井かずみとの交遊、加賀まりこがどうやって育成されたか…
などなど、かなり満足できる内容でした。その潔さはなかなか天晴れという思いにさせられるのもまた事実です。先述の芸能雑誌の記者たちも彼女のとんがりを受け止めるだけの力量がなかったばかりに、面白おかしな底の浅い記事しか描けなかったのではないでしょうか。私の目にもその新人女優の演技は「いかがなものか」と思わせるに十分なほどで、まりこ姉さんの指摘もむべなるかなとは思ったのですが、加賀まりこがティーンの頃から築いてきた小悪魔的なイメージを芸能メディアは無思慮に援用していて、決して好意的には報じませんでした。文化を知る人々が集まる『キャンティ』に若いながらも出入りし、
常連には『プティ・べべ(B・バルドー)』などと可愛がられていた、
という逸話からも、その凛とした容姿からも興味を持っていました。

 そんな当時の芸能ニュースのことを思い出しながら、この本を興味深く読みました。

 しかしながら、彼女の思いや態度を理不尽と形容するのは決して適当ではありません。
加賀まりこの凛とした人となりに興味のある方には、お勧め!。その態度によって周囲との間に軋轢が生まれることや、自らが向こう脛に傷を負うことになったことも、包み隠さずきちんと見つめた上で読者に提示しています。
歳をとってはいても、いや、とっているからこそ、格好いい女。むしろ彼女自身が世の中の理不尽さに対して彼女なりの一本芯が通った態度できっちりと対峙してみせている様子は爽快感を伴っています。もちろん、まりこ姉さんのとんがりぶりは私のような市井のサラリーマンにはやはり少々アクが強く、身近にこうした女性がいたら親しくお付き合いさせていただくのはなかなか手強いだろうなという思いを強くしたのも事実です。
さらに最近放映された『僕らの音楽』では、かまやつ氏と共に、
当時の洗練を彷彿とさせるような『時代を選び、選ばれた』人間の、
独特な雰囲気を醸し出していて、興味はますます募る一方。
そんな時、本書の存在を知りました。演技の拙い後輩を叱咤激励するつもりで思ったことをズケズケと口にする彼女の態度は、芸能メディアの格好のネタでした。

 酸いも甘いもかみ分けた大人の女性がもつ人生の厚みに圧倒されながらも、頁を繰るのが実に楽しかった一冊です。 テレビドラマの主役を演じる若い女優を、共演している加賀まりこが「いじめている」という情報が随分と前に芸能雑誌の誌面を賑わせたことがあります

ana ロクシタン

とんがって本気

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